カタクチイワシ映画レビュー

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのカタクチイワシ映画レビューのレビュー・感想・評価

3.8
これまた好き嫌いはっきり分かれそうな作品ですね。ホントざっくり側だけで言うなら、マルチバースの命運を握る主婦一家のアイデンティティ・ドラマってところでしょうか。
『スイス・アーミー・マン』の監督方の映画だったんですねー。なるほど、これは良い意味で人にはオススメできません。

私はこういう演出・映像表現・馬鹿らしいアイディアが大好物。それだけで嬉しくなれてしまう楽な性格なのでかなり好きですね。ソーセージ指の世界とか笑ったし、生命が生まれなかった岩ちゃんの世界とかシュール且つスゴく可愛くて堪らんかったです。中盤以降どんどん情報過多な描写が増えていき、私なんかは脳の処理が全然追いつきませんでした。

きっとこの先何度も見直していくと思います。というのも今作、様々な切り口や見方ができる映画だと思うので、その度に違う考え方や新たな発見があるんじゃないかなぁ。それこそ結婚したり子供が産まれたり孫が出来たり、又は自分が英語圏で暮らしたりしたら、さらに理解できる部分も増えて私の世界も広がるだろうし。まぁ無理だろうけど。それもマルチバースなのだ!(←言いたいだけ)

主演のミシェル・ヨーは無論ですが、娘/ヴィラン役のステファニー・スーと夫役のキー・ホイ・クァンが素晴らしい。2人とも凄くイキイキとした演技を見せてくれて、特にホイ・クァンは子役のイメージしかないのもあって復帰に胸熱。ジェイミー・リー・カーティスは最近益々元気になって
る感あって余計好きですねー。


現時点で『スイス・アーミー・マン』を観ていてダメな方はノレないでしょう。観てない方は先にそちらを観るのをオススメします(時間も97分と『エブ〜』の140分と比べお得!)。逆に湯浅政明監督作『マインド・ゲーム』が好きな方ならすんなり楽しめるんじゃないでしょか。ちょっぴりオススメです。