このレビューはネタバレを含みます
面白かったと一言では言い表すのはもったいない、さまざまな問題を描いた良作でした。
香港でベトナム難民と恋に落ちたエヴリンが、親の反対を押し切ってアメリカに渡るも決して暮らし向きはよくなく、ABCとして生まれた娘との間には文化的価値観の相違があって関係性が良好とはいえない。
そこに母が亡くなりひとり香港で暮らしていた父を引き取ることになり、ゲイである娘のことをどう説明すべきか頭を悩ませるエヴリン、という状況を夫婦間は中国語、娘とは英語、お父さんとは広東語で話すことで詳しく説明はせずに描写するのいいですね。
お互いの言葉を100%には理解できない家族がマルチバースに関わることでその関係性を再構築していくお話ではあるけれど、とどのつまりはディスコミュニケーションのお話ですよね。
親を捨ててアメリカにやってきたエヴリンにはどうしてもその引け目があって、駆け落ち同然で幸せになってやる!と意気込んだけどコインランドリーの経営もうまくいっているとは言い難い。
もはや意地の塊になって夫とも娘ともコミュニケーションを取れなくなっていたエヴリンが、これまで固執していた伝統的価値観を乗り越えてジョイを捕まえた時、だけどエヴリンのお父さんも彼女たちを必死に捕まえている、という描写が本当に素敵だった。
周星馳作品のような下ネタ(彼の作品よりはマイルドですが)が多くて一瞬「これ大丈夫?😂」と思ったけれど、岩の言葉のない静謐なシーンとか、好きな場面がたくさんありました。
ウェイモンドに車椅子を押してもらうエヴリンのお父さんが「快啲啦!(早く!)」って言ってたのが面白かったです。危ない😂😂
あとミシェル・ヨー七変化!という感じで大満足でした。
広東語セリフも多くて嬉しかった👏
家族のお話だから仕方ないのかもしれないけど、もうちょっとベッキーが目立ってもよかったのにな。
でもラストのジョイとベッキー可愛かったです🙆♀️🙆♀️