ジェイコブ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

潰れかけのコインランドリーを経営する傍ら、家事に税金、父親の介護と様々な問題を抱えるエブリン。ある日、憂鬱な気持ちを抱きながら、夫と父親と共に国税庁を訪れると、突然様子がおかしくなった夫ウェイモンドから、「並行世界」が存在し、敵がエブリンの命を狙っていると告げられる。呆気に取られるエブリンだったが、夫につけられた謎の装置の力によってマルチバースを体験すると、自分が今まで抑えていた思いに触れていく……。
A24最新作。アジア、女性、マルチバースと、ハリウッドのトレンド全てを押さえているだけでなく、一度に10の映画を観たような感覚に陥る新感覚の映像体験ができるため、本年度のアカデミー賞の話題をかっさらったのも納得の本作。
本来ならば緊迫感のある戦闘シーンであるはずだが、バースジャンプ(並行世界にいる自分の力を使うための手順)するために必要な事が間抜けすぎて笑わざるを得ない。また、ジャッキー・チェンもビックリなポーチの斬新すぎる使い方、あらゆる団体からクレームが来そうなポメラニアンの扱い方、極めつけは下半身露出男のモザイクおっぴろげジャンプなど、もう何から突っ込んだらいいかわからんくらい次々と「事」が起こるため、2時間半の映画ということを忘れる笑
(監督がノリノリで出演しているのも面白い)
マーベルの他にマルチバースをここまで活かした作品も珍しい。見終わった後はドッと疲れが来るが、伝えたい事は自分の人生を生きる事、また家族、や自分とは違う人達の抱えている人生を理解し、受け入れる事の大切さと、非常にシンプルであるため、不思議な爽快感もある。
人によってあらゆる見方のできる万華鏡ような映画だが、とりあえず一言言うならば、ソーセージフィンガーの世界だけは絶対に行きたくない笑