セサミオイル

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのセサミオイルのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

過去に観た好きな映画の殊更好きなシーンを集めてブラッシュアップして見せてくれたような超絶俺的ツボ映画…

抽象化表現
インサイド・ヘッドの人間の脳内で起こる抽象化説明シーン、マインドゲームの神様登場シーンそして銀河系ヒッチハイクガイドにもあった抽象化シーン。これらが俺はホントに大好きなんだなと改めて分かりました。

不条理
石同士の会話とその内容。
この世の真理みたいな事をさらさらと話す感じ。これもツボです。銀河系ヒッチハイクガイドも似たような感じでしたね。

主人公覚醒
古くはドラゴンボールの悟飯が、マトリックスのネオが、そしてLUCYが覚醒するシーン、さっきまで散々苦戦してた相手に覚醒した途端目ぇつむってでも勝てるようになるみたいな、俺あの感じも大好きなんです。本作でも似た感じのをやってくれてました。最高。
殺しにかかってくる相手に対して相手の悩みの種を取り除くことで戦闘意欲をゼロにする戦い方。正義という言葉を使うからややこしくなる訳だけどこれに関しては単純に正のエネルギーといったところか。ここまで落とし込んだのが今っぽい。最高。

ヴィラン
ヴィランといってもそこまで悪い人じゃないが全てのユニバースにアクセスし手に入れたパワーを完全に我がものにした万能ジョブ・トゥパキ。目眩く容姿を変え、太々しく動じない。こんな奴に勝てねぇよー!と絶望を与えてくれる。
完璧です。

ストーリーテリング
荒唐無稽で複雑な物語設定を端的にとても分かり易く会話や映像で理解させてくれました。これまた素晴らしい。

家族愛
一人娘と母親で可哀想になるくらい仲悪いパターンでそれが永遠に終わらないというのを現実の世界でいくつか見てきたので感情移入出来ました。冴えない(風に見えてしまう)夫、邪魔くさい父親。。。これもまたあるよね…
この辺の問題は確かにこのぐらいしないと解決出来ないと強く思う。

ビジュアル
主演の方もお美しいしCG表現も良かったと思いますがそれ以上に発想に驚かされました。トッピな発想を過不足なくCGで表現してて素晴らしいと思いました。

変な事をするほど高く飛べるというルールは面白かったです。それをやる度に自分で作って自分を閉じ込めてた殻が破れてゆくという仕組み。
自らをさらけ出す事で視点が変わり苦手だったものを肯定出来るようになる。
別のユニバースにいる相手を見て相手への見方が変わり愛せるようになる。
そういう流れも最高でした。

総じて最高でした!
エンドロールはドルビーを活かした作りになっていてIMAXで観て良かったと思いました!