いっちゃん

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのいっちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
ちょうど真ん中くらいの映画。
映像は素晴らしいし、ミシェルヨーのカンフーや演技はコミカルで面白いしかっこいい。
キーホイクアンは可愛い、けどいざとなると頼りになる感じとか演技が良い。

個人的に残念だったのはストーリー。
これは映画である以上、結末を一つに設定しなきゃいけないから仕方がない事なのかもしれないけど、ゲーム見たくたくさんの選択肢や結末の可能性を見せてくれるけど、最終的にはルートはご都合主義お涙頂戴みんなハッピートゥルールートしかないゲームみたいな気分だった。

特にこれで残念だったことはせっかくクィアの登場人物が出てきてもトゥルーエンドに向かうための障害物程度にしか機能してなかったところ。
もちろん、クィアのキャラを全く出さずに世の中にたくさん居るにも関わらず、居ないものととして扱うことよりよっぽど良いのだけど、そこが残念だった。

口悪く言うと後半の家族愛の暴力は自分は家族と仲が良いからハマる部分はある一方で「家族と仲良くない人にとっては苦痛ではないかな」とか思ってしまった。

自分のセクシャリティーだったりアイディンティティーでさえも家族愛とか愛で回収されたトゥルーエンドを見せられた時にそれを拠り所としてない人から見たら必ずそれは特定の人に対しての暴力性があるとおもいました。

一方で彼らの家族が所謂家父長制的な”家族”ではなかったところはちゃんと良かったと言いたいですね。