うえ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのうえのレビュー・感想・評価

4.4
面白いと噂を聞いて。
エンドロールの「天馬行空」を後から調べると「天馬が自由に空を駆けるという意味で、転じて、着想などが自由奔放でなにものにもとらわれないさま」とのことで、ああ監督は自覚あるんだなあと思った。
と同時に、映画ってこれくらい自由で(カオスで)いいんじゃないかとも。

ストーリー展開は、マルチバースを股に掛ける壮大さと、税金や家庭の悩みに奮闘するちっぽけさとの往復運動で目まぐるしいの一言。
疾走感溢れる系なので「観てる時は面白いけど終わったら何も残っていない」の部類になるかと思いきや、何故か心にぶっ刺さった。
”失敗(挑戦)する度に分岐が生じ、別の世界線の自分は成功を手にする”という設定には感動すら覚える。

「本当に意味のある時間はほんのわずかしかない」

ウェイモンドの好きなシールが、キラキラ輝く⭐️でもなく、愛情溢れる♡でもなく、ギョロ目👀だったのは「優しさとは相手をよく見る(観察する)ことなんだよ」ってメッセージだと解釈してよいのかしら。

あと、エヴリンの「I am your mother.」とゴンゴンの「I am not your father.」の対比には鑑賞中に気が付いたけれど、まさかダースベイダーの「I am your father.」のオマージュだったなんて。。すごい。。。

にしても、この作品がアカデミー賞を総ナメするなんて、まだまだ時代も捨てたもんじゃないよなあ。。
うえ

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