テトラ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのテトラのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

軽い気持ちで現代美術展に行ったら全く理解できなかった時と同じ気持ちになる。
というのも、まだ地位を獲得中で定義が曖昧な「多様性」をテーマに作られており、内容に対して共感できる部分とそうでない部分が混ざり合っている。50年後もしかすると、「多様性の時代」の幕開けとして資料に残る作品なのかもしれない。

現代の問題とも言えるが、情報共有ツール発展に、ユーザは追いつけていない。川の水のように流れ込むSNSやマッチングアプリなどの情報により「自分は不幸だ、他人より劣っている」と感じる人も多い。
その事実を、別世界の自分とシンクロするという表現をしているが、あまりのめり込むと自分を壊してしまう。
あくまで「よそはよそ、うちはうち」の精神で、自分の置かれた状況を受け入れて納得するしかないという、目を背けたい事実で締めくくっている。
唯一現実と違うことは、最後まで諦めなければ上手くいくということだと思う。最後のシーンでは娘がベーグルから戻って来ない方が個人的には好みだった。

映画としてストーリーは意味が分からなかったが、観る人ごとに感じ方が一致せず、つまるところ芸術に近い映像作品と言っても過言ではないかもしれない。
あと少し長い。
テトラ

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