ゆ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのゆのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

生きてると、これ漫画だなって思う瞬間がある

I say 膝から崩れ落ちた!
You say そこから立ち上がる!

https://youtu.be/A4fjGhW3nYM

歌詞ないので下記引用します!!

https://naka-tako.hatenablog.com/entry/2017/08/13/225922

それは例えば、小学生のときに好きだった女の子にラブレターを貰って嬉しかったけど、あなたのことは二番目に好きですと書いてあった記憶とか、中学生のときに不意に陰毛を燃やしてみたくなってティッシュの上で燃やしたらすごい勢いで燃え上がって窓から捨てた記憶、サッカーのクラスマッチでキーパーをするはずだったデブがズル休みをしたために徳利がキーパーをする羽目になり、相手のシュートをスライディングで止めようとしたら躓いてゴールが決まって、徳利は複雑骨折してそのまま転校したといった記憶である。

中学受験でハゲるくらい追い詰められてた時当時好きだったアイドルから応援の手紙をもらった体で大丈夫きっと受かるよ!って自分で書いた手紙お守りに入れて持っていた小学生時代や、クラスの出し物でTimingのダンスを踊ってから廊下ですれ違うたびに校長に「ハッスルボーイ、ハッスルボーイ」と呼ばれていた中学時代のエピソードも秀逸だが、特に胸を打つのが“最初で最後の彼女との思い出の数々である。

“最初で最後の彼女”は学校で1・2を争う可愛い子だったらしく、クリスマスにエクソシストを観に行って、帰りに初めて手を繋いで幸せだったと徳利は曲中で語る。どんなエピソードにも切なさを忍ばせる徳利が手放しで「幸せだった」と語るところに、この時期の幸福感、無敵感が伝わってくる。また下校中に初めてキスをしそうになったときには、彼女に「今私風邪引いてるから無理だよ」と拒まれたところで、徳利は「あ!今日ドラえもんスペシャルの日や!」と言って走って帰るいじらしさを見せる。彼女も彼女で初詣に行った際にMA-1を着て登場するなど、見た目だけではないなんとも言えない可愛さを見せる。まるで少年漫画に出てくるような、淡い青春の思い出である。

しかしそんな彼女の思い出も幸せなままでは終わらない。

別々の高校に進学した二人は、徳利はボクシング部、彼女は空手部にそれぞれ入り、一緒にインターハイを目指そうと誓い合う。しかし次第に会うことが少なくなり、別れてしまうのだ。その後、徳利はデビュー戦で審判に止められるほどの鼻血を出し、一試合で引退する。部活引退後は、ろくに勉強もせず金髪にしたり夜遅くまで街をぶらついたりして暮らしていた徳利だが、ある日ふと元彼女の高校の前を通りかかるとでかでかと貼り出された看板に彼女の名前とインターハイ出場の文字が書かれており、それを見た瞬間徳利は膝から崩れ落ちたのである。このエピソードから、この曲のパンチラインのひとつ、「膝から崩れ落ちた」の誕生する。

早稲田大学に進学したあとも、バンザイを売りにしたサークルに入りながらもその気持ち悪くて一度もバンザイせずに辞めたり、レゲエサークルで「ガンジャガンジャ」言ってた先輩がちゃっかり大企業に就職して「クソが」と思ったり、のちにミスなんちゃらのグランプリに輝く女の子と大学への愛校心の塊みたいなやつらが多いことへのディスで盛り上がり「ん!これはもしかするといけるのでは。」と思ったりしながら、徐々に徳利の語る記憶は現在に近づいていく。そして最後に、無料の範囲でチャットレディを眺めることを日課にしていた徳利が、行きつけのサイトで高校時代最初に好きになった女の子を見つけたエピソードについて語り、徳利の記憶語りは終わる。


若干説教くせぇ!!
ゆ