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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのaalizwellのレビュー・感想・評価

4.3
凄いぞ、この映画。
"マルチバース" といういくらでも広げようのある広げすぎ厳禁なテーマを、これでもかってくらいに広げに広げたうえで、それを "誰にも「広げすぎ」とは言わせないぞ" と言わんばかりに恐ろしくスマートに上手くまとめてあげている。
更にそこに乗っかる最高峰レベルのカンフーアクション。
そしてなにより、"深い" 。
とんでもないくらいメッセージ性が強い。しかもそのメッセージが、刺さる刺さる。世界の見え方を変える系映画でした。
ところで、監督がスイスアーミーマンと同じってのを見た後に知って、「なるほどねwww」と腹を抱えて笑いました。はいはい。通じるところあります。あれより本作の方が全然わかりやすいですけどね!何を見せられてるんだ感も弱いし!(弱いだけでゼロじゃないのがやっぱり同じ監督なんだなって感じ)
最後に、私が感じたメッセージを言語化して、この映画のレビューを締め括ろうと思います。

〜〜以下ネタバレ〜〜

怖い時や混乱してる時に人は争う。優しくなろう。
その恐怖や混乱に打ち勝って、今その時を純粋な気持ちを持って全身全霊で生きていれば、幸せは訪れる。
「あの時ああしていれば」と後悔したり、「もっと違う人生だったらな」と夢想したり。そんなのはどんな世界にいてもあること。今いる世界がどんな世界だったとしても、幸せになれるかどうかは自分次第。逆に、自分次第で、どんな世界にいたって幸せになれる。自分がいるのがどの世界かなんて大事なことではない。大事なのはどんな自分でいるか。
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