saki

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのsakiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論あるみたいだけど、とっても面白かった!!!!!!
SF映画をみなれていない私でも面白くて、あっという間の2時間だった!!

目まぐるしい映像とストーリーで、少しでも目を離したら置いて行かれてしまいそうで、是非とも映画館で見たかったなと思わされる作品でした
一体、監督の頭の中はどうなっているんだろうか……
まずこれを映像化したすべてのスタッフに拍手したい👏


劇中の人物たちだけでなくて、現代の人たちはみんな、自分の役割(エヴリンの場合は、オーナーとして、母親として、良き娘として、妻としての求められる像) としてのやるべきことが多すぎて、疲れ切ってしまって、誰かとゆっくり話(対話)したり、頼ったりするような時間が持てなくなっているよねと感じた

それはきっとジョイ自身も同じで、エヴリンに自分のことをきちんと理解してほしいけど、自分らしくあろうとすればするほどエヴリンからは余計なことに口を出されて(恋愛や体型に対して)こんな調子でこの先にある未来って意味があるの?ってすべてが嫌になって、真っ黒なベーグルを作り出してしまったのだと思う

そして、思わずエヴリン自身もすべての義務や考えるべきことを放棄してしまそうになった気持ちが、現代を生きる私自身にもよく分かるなぁと感じた


エヴリンがラストの戦い方として選んだ方法が、周りの人たちを楽しませることをいつも忘れないウェイモンドの方法で、周りに目を向けて、そして愛を注いで相手を喜ばせることで、その愛は自分にも返ってくるし、どんどん広がっていくんだなと感じた
そして、マルチバースは無限に広がっていて、自分なんてそんな中のちっぽけな1人でしかないのだと思って最近悩みがちだった私によく刺さる内容だった


「親子だからずっと仲良く、ずっと一緒にいるべき論」は、決して全ての家族に共通すべきものではないと私は思ってる

でも、「人生に意味のある瞬間なんてほとんどないのかもしれない。でも、そのほんの一瞬を大事にするために、あなたと生きていたいと思う」というメッセージを、きちんと言葉にして相手に伝えて、対話することでやっと伝えられるという、この家族同士のラストの繋がり方はすごくストレートで本当に良かった

家族でも、納税局の人でも、岩になっても、どんな関係性でも、対話して相手の過去や想いを知らなければ、何も理解し合えない


ラストシーンの納税局で「エヴリンさん、聞いてますか?」と聞かれて、最初の方では必ず聞いてますと虚勢を張っていたのに、ラストは力の抜けた表情と声色で「なんの話でしたっけ」(意訳)みたいな正直な返事を返してたのが印象的で、もっと肩の力を抜いていいし、色んな人たちを信じて、頼っていいのだと感じさせられた

エヴリンもはじめから、コインランドリーの問題も、納税の問題も、おじいちゃんのお祝いのことも、家族は頼れない、どうせ理解してくれないなんて決めつけずに、家族と対話して、頼めたらよかったのに、と思うけどこれも現実でやってしまうよね…
と、エヴリンの気持ちがよくわかる1本だった

あとは、キー・ホイ・クァンさんのカンフーが本当に見事でした
カンフーシーンはあんなに格好良いのに本当に人の良さそうな笑顔、最高だった☺️

ジョブ・トゥバキのコロコロ変わる衣装やメイクや髪型もとってもキュートで面白かったな〜


若干作り方が複雑な分、捉え方がいろいろありそうで、いろんな人の感想や考察を読むのが楽しみな作品でした!!

大満足です!思い切った映像表現も多くて面白かった〜!

観終えてもずっとあの不思議な映像が頭の中をグルグルしている
マルチバースの私も元気にしてると良いな
saki

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