おもち

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのおもちのレビュー・感想・評価

3.8
 マルチバースが舞台の家族の物語。ミシェル・ヨー主演。
 コインランドリーを経営する主人公エヴリン、税金問題のために国税局へ赴くが、エレベーターに一緒に乗っていた「夫から全宇宙を救えるのは君だけだ」と突然世界の命運を託される。

 めちゃくちゃな映画だ...(褒め言葉)。冒頭の問題だらけの生活編からいきなり耳に装置をつけられて、アルファバースがどうの悪がどうのと世界観がぶっ飛んじゃう。この装置が「別のバースにいる自分の記憶や技能などをリンクさせるバースジャンプというのが使える」という代物。そしてそのジャンプのしかたが「最強に変なことをする」というこれもぶっ飛び要素。リップクリームを食べたり、おもらしをしたり、ケツにオブジェをぶっ刺したり...敵キャラもバースジャンプしまくってひとつひとつのシーンに映る情報量が多すぎてやばい。
 映像は次から次へとバースが並行的に流れて超SF。格闘シーンはやはりミシェル・ヨー、魅せますねぇ。あらゆるものを使って戦うのはジェッキーチェン味があって面白かった。動物愛護に喧嘩売ってるシーンがふふってなった。
 一方メインシナリオはぶっ飛んでおらず、しっかりと人生や家族のことを描いてる。並行世界では世界を滅ぼすラスボスになっちゃってる娘を助け出すというのが本筋。クィアな映画だと言われてるのも納得だった。一度観ただけではとてもじゃないけど理解が追いつかないのでネタバレ解説を入れると良さそう。生物が生まれなかった世界線で、岩になってる親子が無音で会話するシーンが印象的だった。
 斬新で挑戦的で、点数をつけるのがとても難しい作品、でもハナマルはあげちゃうという感じ。SFファンなら特にのめりこめるはず。
カロリーがっつり使うと思うのでジュースとお菓子はたっぷり持ってこよう。オススメッ!
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