ゼロ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのゼロのレビュー・感想・評価

3.4
ようこそ、最先端のカオスへ。

第95回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞した話題作。多元宇宙であるマルチバースの可能性の物語。

主人公のエヴリン・ワン・クワンは、コインランドリーや家族の問題と、トラブルを抱えている。ある日、夫に乗り移った"別の宇宙の夫"から全宇宙の命運を託されてしまう。そして彼女はマルチバースに飛び込み、カンフーの達人の"別の宇宙のエヴリン"の力を得て、マルチバースの脅威ジョブ・トゥパキと戦うこととなる。

多元宇宙であるからして、可能性の1つから特殊能力を手に入れるエブリン。ゲームのようにマルチバースと現在を行き来し、能力を手に入れていくあたりから、理解できなくなってきました。SFで、種明かしがあるわけでもないので深くは考える必要がないのですが、色んな世界のエブリンの衣装や美術は作り込みがあり、金がかかっているな…と。

マルチバースの世界では、手がソーセージの世界であったり、人間が生まれない世界であったり、料理人やカンフーの達人であったりと幅が広く、中盤のドーナツ付近から理解を超えたのですが、フラッシュバックするかの如く、マルチバースのエブリンの映像が瞬間的に流れる映像は、凄いものを観たな…と。

アクションにも力が入っているのですが、マルチバースに行くきっかけが奇天烈なことをすることなので、トロフィーを尻に刺したり、腕の骨を折ったりと、下品であったり、バカであったりと、キャッチコピー通り、カオスでした。

最終的に、LGBTの壁を越え、家族愛に落ち着いたのは、今の自分を肯定しろ!というメッセージなのかもしれません。

どんな作品か?最先端のカオスな作品でした。
ゼロ

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