てる

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのてるのレビュー・感想・評価

3.8

気になってはいたけど、映画館に行かなかった作品。観た方がいいとは思っていたけど、あまり興味が引かれなかった。でも、今後観れる機会はほとんどないかもなぁ、いつか観れたらいいなぁなんて気持ちでいたら、Netflixであっさり観れて嬉しかった。

マトリックスをコメディにしたような作品かと冒頭では思った。でも、違った。この作品は親子の絆を修復する物語だった。最後は少し感動させられた。

マルチバース。この言葉が一般的になったのは、なんといってもマーベルコミックのおかげだろう。このマルチバースの世界観を描いた作品はマーベルだけでいくつあるのだろう。そういえば最近ではDCコミックの作品でも使われていたね。なので、もうマルチバースは飽き飽きしたと思っていたが、この作品は、これはこれで面白かった。

マルチバースの自分の力を借りて戦うってのは案外斬新だったし、面白い発想だと思った。冴えないおばさんがカンフーでバッタバッタと男たちを倒していくのは爽快感があった。

キー・ホイ・クァンのポーチアクションも良かった。まだまだ捨てたもんじゃないねキー・ホイ・クァン。この作品でまた脚光を浴びて良かった。冴えないおじさんとイケオジを見事に演じ分けていました。

今回の役者は皆かなり上手かった。もちろん実力派の役者をキャスティングしているのはわかるが、よくもまぁ集めたもんだ。
キー・ホイ・クァンも良かったが、ミシェル・ヨー、ステファニー・スーのこの二人が凄い。
ミシェル・ヨーはなんと還暦を過ぎていました。いやぁ、若いね。女優のマルチバースのときなんて、30代くらいに見えなくもない。美人ですなぁ。それにしても、この歳でこれだけのアクションはさぞ辛かっただろう。だけど、キレもあったしカッコ良かった。
ステファニー・スーもかなり良かった。普通の娘のときと、化物のときとの芝居の使い分けが凄かった。彼女に関しては、他の役者たちと違って、衣装やメイクも変わっていたから余計にそう思わされたのかもしれないが、明らかに目付きが変わっていて驚いた。

この二人が上手いからこそ、どんなぶっ飛んだシナリオであっても、安定感があったのかもしれない。この親子の話しが軸なのだというブレがなかったからわかりやすかったのかもしれない。
あれだけやっておいて、最後はあっさり終わってしまって、若干拍子抜けの感もあるが、ハッピーエンドで良かった。

それにしても、撮影は大変だったことだろう。現場でも様々なエフェクトがあるし、カット数も多い。最後のバトルではカットインがやたら多いし、とにかく撮るものが多かったことだろう。
でも、そのおかげで賞もとれて、苦労が報われてよかったね。
てる

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