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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのthurのレビュー・感想・評価

3.7
どんな世界線でもあなたを選びとる=choosenな夫との関係と、否応なく関係し合う母子関係の対比が際立つ。
同性の恋人との関係を認めてもらえず死より凄惨な場所へみずからを棄却しようとする娘の気持ちには共感が強かった。
否応なく傷つけ合うから別々の道を行くことを選びとる結末でもとても好きだったが、そうではなくて、〈どこでも〉母を捜し続けたその本心をまで描ききったところに良さがある。
あなたがいるから〈どこでも〉行けず、〈なんでも〉できるようにならない。選択こそが可能性を狭める。しかしその選択の先にしかない可能性がある。
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