Smoky

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのSmokyのレビュー・感想・評価

2.9
『マトリックス』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ただし、前後ではなく水平移動)『2001年宇宙の旅』と『グリーン・ディスティニー』『花様年華』など、その他いろんな映画の要素や映像が混ぜ合わされた、情報過多マルチ・メタバース家族ドラマ。
 
毒親の存在、子供との断絶、自分のパッとしない人生をアバターやメタバースの「if」で代替する行為や気持ちなど、今の自分には縁遠い題材ばかりなので全く理解も感情移入も出来ず、ただただ映像と情報の洪水に飲み込まれて疲れた。一言でいうと「not my type」な映画。ベーグルはエブリシング派だけど。
 
同じくアジア系を題材にした『ジョラック・クラブ』や『ミナリ』といった名作とは異なり、アジア系の苦悩を、アジア人ではなく白人をはじめとした非アジア系に分かりやすい形で表現すると、こうしたお気軽で軽い感じの作品にならざるを得ないのだろう。そういう意味では『クレイジー・リッチ!』(邦題で「アジアン」が省略されているのがミソ)と同じ系譜の作品であり、アカデミー賞7部門受賞はポリコレ的に納得。
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