Yuri

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのYuriのレビュー・感想・評価

3.5
カオスでお腹いっぱい(笑)本作には様々な映画のオマージュが織り込まれているが、全体的設定もまた「スター・ウォーズ」の宇宙を股にかける親子喧嘩の女性ver.。カンフーの中国武術はアクションと哲学・真理を描くにはもってこいですよね。アジア人は表情変化が乏しいことからハリウッドで抜擢されにくいですが、ミシェル・ヨーがなぜ重宝されているかがよくわかる作品でした。ジャッキー・チェンでさえ、表情変化殆どないと思うのに、ミシェル・ヨーの表情筋、限界突破(笑)A24とダニエル・クワン監督(「スイス・アーミー・マン」)というコアな映画ファン向けな方々の作品が王道アカデミー賞を席捲したのも驚きました。アカデミーではウケが悪いマルチバースものでもあるし。私はマルチバースもSFも大の苦手なのでめちゃめちゃ睡眠薬な映画だったけど(爆)、どこのワンシーンを切り取ってもアーティスティックだし、笑えるし、シュールで、やりすぎを躊躇しないところがダニエル・クワンだなぁと思いました。この持ち味は消さないでほしいな。てか、ここまで真理を追究したら親子や夫婦問題だけでなく大抵の問題は解決するよね、人生の軌道修正をする治療法として、こういう仮想体験が出来たらいいのに(^^;) 人間関係は言葉や態度をいくら尽くしても伝えきれないもので溢れているから。中盤、マルチバースで遊びすぎちゃった時間(楽しんでるのは伝わったw)が長いので、遊びを楽しむ映画ではあるけれど、もう少し引き算しても良かったかも。余韻までお腹いっぱい胸いっぱい(笑)
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