OASIS

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなカオスな世界を良く纏めたなぁ。
いや、正確には纏まってないような気もするけども。

監督はスイス・アーミー・マンのダニエル・クワンとダニエル・シャイナートという友達同士。兄弟ではないんだと最近知った。
スイス・アーミー・マンでもそうだったけど、下ネタが満載でこんな大作であっても堂々としょうもないネタを入れてくる辺りはめちゃくちゃ好感が持てる。
トロフィーをケツアナにいれたり、ディルドで叩いたり、指がソーセージになったり。
そんなハチャメチャなアクションやらをミシェル・ヨーの往年ばりのカンフーでもって見れるものにしているというのも面白いし、それらの小さなネタがやがてマルチバースという壮大なテーマから一つのものに収束していくに連れて纏まっていく所もなんだか感動的。

大元は何の取り柄もない主婦であるが、何もないからこそ何でもできるという可能性の拡がりから、それが枝葉となって繋がり続けるマルチバースへと拡大、また可能性の結果である家族というものに集結していくという見事な物語性もある。
ジャコ・ヴァン・ドルマルの「ミスター・ノーバディ」ではありえたかもしれない可能性の世界を高尚で難解気味に描いたけど、こちらの方がテイストは軽く笑えるような瞬間もあるので楽しいという点では好き。
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