camuson

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのcamusonのレビュー・感想・評価

3.5
アメリカでしがないランドリー店を経営する中国系移民のおばさんを主人公にした、
SF・アクション・コメディ・家族もの。

税務報告のための領収書などが乱雑に置かれた机の上から始まり、
壁にいろんなものが貼られ、物が乱雑に詰め込まれた部屋、
洗濯物が詰め込まれた袋が乱雑に置かれたコインランドリーなどなど、

しょっぱなから続く、映像密度にまず「うわっ」となり、
展開に関しても、とにかく面白ければ何でも突っ込んでしまえ~というような感じで、
アジア的カオス感覚に気圧されて、中盤くらいまでは結構楽しめたと思います。
税務署のおばさん審査官を敵キャラの中ボス?にしたのは、
なかなかよかったと思います。

しかし、中盤過ぎあたりから、終始濃ゆいのに飽きてくるのですよね。
ラスボス?に対してもう少し感情移入ができたら、
また違ったのかも知れません。
動機が腑に落ちないまま、何か色々とドタバタやってるなぁという感じで、
あまり心動かされることが無かったです。

SF設定も、ギャグの多彩さを確保する便利ツールとしては一役買っていましたが、
最後に収斂して心を揺さぶるとか、余韻を残すとか、そういう面ではイマイチなのですよね。
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