桃

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの桃のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

2024年1作品目。

気になるけれど、グロシーンとか大丈夫だろうか…とさりげなくレビュー漁りをしながら、意を決してみた作品。

結論としては、観れてよかった!
一部手で目を隠しながら観ました。(グロが本当に苦手な人は劇場より家鑑賞の方がよいかも)

マルチバース×母娘×カービィ(アプリ)

とわたしは受けてみていたけれど、
それこそ人によって解釈は異なりそう。
(恋愛、友情も含まれる)

自分としては、観終わったら、とにかく
母に連絡したくなった。

そして、
最近友人達と"夢"について語る文脈で、「胡蝶の夢」についても触れることがあり、それも連想した。

わたし達が当たり前と思って日々暮らしている世界は、パラレルワールドかもしれないし、こちらの方が仮の世界かもしれない。
そんな妄想が膨らむ。

作品の世界では、
エブリンが別のバースで発明した世界間移動装置にて、突拍子もないことをしたときに回路が繋がり、ジャンプできる。

世界は、あらゆるものは、組み換えてできた別の可能性、同じ物質のコピーミス。
いまみえている世界も、「泡」のひとつ。

エブリンや、ジョイは、その移動を重ねることで、いわばアプリをインストールして能力が拡張されるように、強くなっていく。

ジョイの言っていた、
「正しさとは臆病者が作った小箱」
という言葉も刺さる。

全てを壊して、エブリンとジョイが
ただの岩になったシーンが好き過ぎる。
これくらい、愚かで小さいと思わせてくれる空間。

しかし、
ウェイモンドが最強説。

楽観的、弱い、優しい
親切で忍耐強い人
「僕なりに戦っている」
対話を通して"戦意喪失させていく"スタイル。

ジャンプ沢山しているのに、表立った技を身につけていないのが、逆に特殊。(敵キャラでさえ、カンフー能力など身につけている)
戦う技でなく、内面的な悟りをどんどん開いていったのかなと解釈してみる。

そして、いろいろジャンプする先の世界で、指がソーセージの世界は、なんとも不思議。なんだろう、シザーハンズの逆で、人を傷つけようにもできない、という感じ?
指がソーセージの世界では、足の指が器用、という流れは詩的にさえ感じた。ピアノシーンと、足の指で抱き寄せるシーンは不覚にもグッと来た。


とんでもアクションなテンポ良さや絵面もありつつ、以下のような、風刺的な台詞もしっかり多かったのも良かった。

-怖いから、混乱しているから戦うんだ

-話をちゃんと聞いていましたね
話はちゃんと聞かないと
桃