このレビューはネタバレを含みます
神との出会い&そして別れ。
裸=純粋=真理=神聖
身分や性別に関係なく分け隔てなく平等に接する(抱く)青年=神(キリストの代わりとなり得るもの)
反・資本主義のメタファー(?)
既存の社会&カトリックの風習と、自身の奥に眠っていた真理(神)がズレていたことの背徳感。ゲイの芸術家の青年=パゾリーニ自身。
「神が平等なら同性愛も認められて当然じゃん!」というカトリックへの挑戦と新しい神の提示(?)
最初から真理(神)に出会えないことより、出会った後に別れてしまう方が虚無感を感じてしまう。
もう細かいことは分からないが、今作はパゾリーニ監督の持つ虚無感と背徳感を(矛盾するキリスト教と重ねつつ)映像にした作品なんだと思う。
青年が「芸術なんて意味がないんだ!」的な感じで嘆くシーンが、パゾリーニの自虐というか今作のメタになっていて面白い。