ひでP

テオレマ 4Kスキャン版のひでPのレビュー・感想・評価

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)
3.5
2024年05月04日Amazonプライム、無料配信。

傑作とされる映画。
なぜ傑作と評されるのか考察。
ブルジョア階級の裕福ととプロレタリアの貧しい労働者との格差と本質的な幸福をなんとかして表現したかったような映画。監督の貧しい生い立ちや若年への性容疑にみえる嗜好などが画像にほとばしってるような。
極端だが、貧しいがそこそこ幸せな家庭や環境、人とのコミユニケーションに対して、お金はあって物にも恵まれるが空虚な生き方、マウントを取り続ける人間関係、希薄なつながり、
果たしてどっちが幸福なのか、それは本質的なところ何が満たされて何が満たされないのかを、ある種哲学的思考ともいえる解の無い問いを続けているような感覚だろうか。これはいつの時代になっても永遠のテーマでもえる。
突然訪問する青年は、神か悪魔か?と言われるが、それはどちらでもよくて、そんなことよりも、ブルジョアジーな人達が何もかも投げ出すほどの思考の転換を図る為の動機づけでしかない。
イエスやマリアや宗教観念信念に覆われた生活の強い国や地域であればあるほど、あれは神だイエスだと言いがちなのだろうと思う。
日本の宗教感からしたらあれは神だの仏だのとはならない。
監督も神でも悪魔でもどっちでもないと言ってるように、動機づけの仕掛けなのであろう。
『テオレマ』(イタリア語: Teorema), 「定理・定式」の意

監督、イタリアの異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。
1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げてる。
ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)。
国際カトリック映画事務局賞を受賞。
イタリア・カトリック界で物議を醸し、猥褻罪で裁判に。
2020年オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版。


ミラノの大邸宅に暮らす裕福な一家。
ある日突然見知らぬ青年が現れる。
一家は父親パオロは労働者を抱える大工場の持ち主。夫に寄りそう妻ルチア、無邪気な息子ピエトロ、娘オデッタ、女中のエミリア。
何の前触れもなく同居を始めた青年。
一家を魅了しブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。
青年の性的魅力と、神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族。
青年が去ると一家は崩壊の道を辿る。
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