スペイン産ホラーであり、デビッド・カサデムントの監督兼脚本デビュー作品。
戦火から逃れるため社会と断絶した生活をおくるある家族を恐怖が襲う。
ホラー映画だが非常に抽象的で恐怖シーンも皆無、ホラーというよりアート映画といったほうが良さそう。
恐怖を喰らう化け物がいったい何を示唆するのか、母親は何故豹変したのか、など考察しがいのある作品ではあるが面白さやエンタメ性は皆無。ゴア描写にやたら気合いが入っていることからも化け物は暴力を示唆しているようだ。
化け物を目撃するのが女性と子どもだけというのも示唆的。かと思えば暴力をふるうのは男性であるという固定観念にとらわれない展開も今らしい。
そう考えると確かによく出来た映画なのかもしれないがアート性とエンタメを共存させている映画がたくさんある中でこの作品を楽しむのは難しい。
あくまで楽しむために映画を観るというのが大前提にある自分のような人間には辛かった。