かじドゥンドゥン

荒れ野のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

荒れ野(2021年製作の映画)
2.0
人里離れたところで孤立して暮らす一家。やがて父は、敵がひしめいているという〈外の世界〉へ旅立ったきり、戻らない。父から、母を守るよう言いつけられていた息子は、ほとんど姿が見えない(しかし細長い、宇宙人のような容姿であることが暗示されている)敵の襲撃を何度も受け、精神的に疲弊してゆく母の自殺を食い止めながら、ついには自ら銃を取って戦う。戦いの末、やむを得ず自宅を焼き払い、母の遺体を押し車で川まで運んだ少年は、そのまま外の世界へと一人旅立つ。

〈敵〉が実体のあるものなのか、それとも、人間社会から何らかの理由ではじき出された一家がその精神的な失調により見てしまっている幻影なのか。家の周辺には十字に組み合わされた木材に布きれがこびりついたようなものがいくつか立っている。鳥葬の跡で、つまりかつては村だったが、外敵の侵入により残るは一家のみになったのか。設定が分かりにくいのと、ホラーとしてさほど怖くない。