木蘭

わたしの可愛い人 シェリの木蘭のレビュー・感想・評価

わたしの可愛い人 シェリ(2009年製作の映画)
3.4
 ベルエポックのフランスを舞台にしたコレット原作『シェリ』を、豪華なセットとキャストで映像化したメロドラマ。

 英語劇で主要キャストにフランス人俳優が居ないという事を差し引いても・・・あれだけ当時のファッションやインテリアを再現しているのに、全くフランスに見えないのが凄い・・・。

 芸達者な俳優たちの演技は素晴らしいし、衣装やセットは豪華だし、夢のような庭園を写す時は当時流行した"のぞきからくり"を思わせるカメラの絞りをしてみたり、突然としてシェリがレアの老いに気が付くクライマックスの体当たり演技は凄いし、ミシェル・ファイファーがバックショットしか肌を見せない分はルパート・フレッドが脱ぐし・・・とにかく良く出来ている。
 ・・・なのだが、良く出来たメロドラマ(誉めています)でしか無いのは、原作者コレットのエッセンスを作品に落とし込めていない査証なんだよな・・・。

 それと最後のナレーションで、続編『シェリの最後』のストーリーを落ちまでサラッと話してしまうのには度肝を抜かれた・・・待て待て、一寸待て。
木蘭

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