しみず

すずめの戸締まりのしみずのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
5.0
完成披露試写会にて鑑賞

新海誠作品は小説を読んだ上で言の葉の庭以後全て公開初日に観てる。
本作は、小説を読んだタイミングで、「マジでやりおった新海誠」と期待値マックスの上で、映画ポシャったらどうしよう、という不安があったけど全然いけた。

タイトルバックくそかっこいい
Suchmosかよ

村上春樹の「かえるくん、東京を救う」を読んでから観たほうが良い

どうしても、ほしのこえからの文脈で新海誠作品はセカイ系として捉えちゃって、天気の子に関しては、中途半端に社会や国家権力がチラついたゃって入り込めない部分があったけど、本作はうまい具合に「キミと僕」で完結出来てて良かった。

完全に村上春樹のポストアンダーグラウンドの作品郡と並べて新海誠の3.11を描く物語として語られるべきだし、3.11以後の新海誠作品として完全に1つの到達点に達した作品だった。それは小説版の各章のタイトルがどことなく1Q84を感じたことは偶然では無いはず。

これまで、新海誠作品は「読書をする女」が印象的だけど、本作のすずめの本棚にはツルゲーネフの初恋、リチャードバックのカモメのジョナサン、ヘミングウェイの老人と海など、新潮文庫の海外文学が目についたんだけど、ここらへん誰かまとめて欲しい。

ポスト3.11を乗り越えた次の新海誠作品がめちゃくちゃ楽しみ
秒速的なのに戻ってもいいし、今なら村上春樹原作とかでも誰も文句言わないから、新海誠の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを観たい。
しみず

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