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すずめの戸締まりのmehanaのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

小説未読、1度鑑賞。
1回目だからか、結構理解できないところがあった。
特に以下。

①すずめが草太に惹かれた理由?
②ダイジンって何者?
③最後の子供時代との関係とは?
④その他諸々

まず、③だが、初見だとちょっとわからなかったけど、よく考えると、すずめは子供の頃の記憶に鍵をかけて津波で親がなくなったことを忘れていたんだなーと。最後の常世の世界(津波後の街並み)を見て、何これ?と言ったところでも、芹澤が福島?辺りで綺麗なところと言った時に、「ここがきれい?」みたいなところからもわかる。で、最後の常世で、子供のころの自分のところに向かう途中で、全てわかったっていうのが、子供の頃に封印した記憶が戻ったんだなってわかる。正直初見じゃイマイチピンとこなかったなー。すずめが死に関心がなかったのも、津波であまりに大勢の死を体験していたからなのかな?

で、次の①なんだけど、これはイマイチわからない。最後の常世で大人のすずめが草太の上着を着ていたので、冒頭のどこかで会った時あった?という疑問に繋がるわけだと思うんだけど、その辺りを含めて運命?ってことなのかな?まあ、草太に惹かれないと常世で子供のすずめに会えないわけでタイムパラドックス的になるのでアレだが。でも、ここがイマイチ描かれていないことですずめが命をかけて戸締まりを行う理由の説得力があんまりでないんだよなー。まだ自分のせいでってなってたほうが理解できる。

②についてはさっぱり。ダイジンは実は母親だったとか、草太の家系の誰かとか色々考えたけどわからず。あと、ダイジンの目的も正直よくわからんかった。味方なのか敵なのかもちょい微妙。ここは結構重要な設定だと思っていただけに残念。ただ、ダイジンは可愛い。そこだけは本当。

④は色々ある。左大臣がなんか悪者ぽく出てるのに味方ぽかったし(イマイチ出てきた意味はなかった気もするが…)、「人間の姿〜」とか車で言ったのもなんだったのかよく覚えていない。他にも腑に落ちない部分は多々あった。

総評
正直、見当違いもいっぱいありそう。
ごちゃごちゃ言っているが、作品自体はそれなりには面白かった。何より、東日本大震災は、当事者でない私でも心に残っていて、少しばかり傷みたいなものがついている。その辺りの描写は、見ていると涙が流れた。ただ、個人的には震災への思いとしては君の名はのほうがよかったな。今作はメッセージ性は強そうなのだが、あまり伝わってきていない気がする。しかし、あれから12年経っても、今でもすずめのように心の扉を閉めているひとがいるんだよなとか、これを見て元気になって、行ってきますと言えるようになるのだろうかなど、考えてしまうほどにはいい作品であった。12年経って記憶が薄れてきている今こそ観る作品なのかもしれない。
新海作品としては、個人的には、君の名はと天気の子が非常によかったので、ハードルが上がり過ぎていたところもあるし、ここ数作のパターンの、音楽バーンとか、これがお前ら好きなんだろ?的な演出が好きだったので、今作はちょい下がるかな。でも猫と椅子と芹澤は素晴らしい。とりあえずここまでクオリティの高い作品を生み出し続けるのはすごいし、今後も否応なしに期待してしまう。
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