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すずめの戸締まりのArts0001のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.9
新海作品の中でも上位に入る作品

公開日に鑑賞。ネタバレなしで感想を書きます。

まず、前作の天気の子よりもバランスが取れていると感じました。
天気の子は子供達が主役だったために、主人公の動機の部分がどこか身勝手に見えて、良い作品ではあったもののもやっとする部分があり、気になりました。

今作は主人公の動機の部分がバランスよく調整されていたと思います。主人公の高校生はある理由から否応なく物語に関わっていき、若さゆえの危うさや我儘さはあるものの、目的が人命のため、あるいは誰かのため、というのが明確なので飲み込みやすい作りになっていたと思います。

また、上記した否応なく関わりをもつうちにあれよあれよとロードムービー的に展開していきます。それが効果的に発揮され展開が良く、退屈に感じるシーンはありませんでした。

そして日本人なら物語の序盤である気づきがあります。この物語の展開なら、このロードムービーの執着地点があそこなんじゃないか?あそこなら嫌だなという推測ができてきます。
ああ、あそこに行くんだという気持ちで見ていると、それがラストシーンの主人公の気持ちと相まって極に達します。
ロードムービーによる物語の高まりと主人公の感情の起伏がうまく融合されていて素直に上手いと思いました。

音楽の使い方も良かった。陽気なシーンと不気味なシーンのメリハリあるBGMが良い。ロードムービーに合わせて、ある曲をある部分でかけてくれるのが、狙い過ぎだけど好感持てました。

多少、気になる点もあるけどネタバレになるので伏せつつ、そう言った細かい点は抜きにして新海誠作品の中でも上位に入ると思います。
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