ごんぞう

すずめの戸締まりのごんぞうのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

丁寧に作られているけど見応えは無い。

新海誠のファンですが、とても丁寧に作られた作品だと思います。
プロットはわかりやすく、「ここにアクション!」「ここに恋愛!」「ここにコメディ!」「ここに伏線!」「ここで伏線回収!」ととても明快です。
故に特に良いシーンもなく、すべて及第点クリアを目的に作られたかのようです。

今作は現実の地震災害がモチーフなので、気を使ったと思います。蔑ろにできず、片寄った扱いもできなかったのだと思います。だからこそ、草太が要石になるまでの前半パートと、草太を助けに行く後半パートを分けたことで各エピソードが弱くなったような気がします。
それに伴い、鈴芽の草太に対する恋愛感情をもっと時間を割いても良かったのでは、と思わざるを得ない。
椅子と女の子のロードムービーという、非常にキャッチーな流れが1時間程度で終わったのがもったいないです。
2時間たっぷり使って椅子と鈴芽のロードムービーをやって、最後に草太を要石にした覚悟を持って、それでも草太を助けに行くところで「行ってきます」ENDでもよかったのかも?と思わざるを得ませんでした。
3.11の東北で草太を要石にすれば別に草太との再会まで映画内で描く必要もなかったのでは?と思わざるを得ない。
と、ここまでは単に新海ファンの素人の妄想ですが、それを差し引いてもだんだん新海誠というブランドが既製品化してきた感じが否めない作品でした。
言の葉の庭までは青春や恋愛を拗らせた気持ち悪さが好きだったのですが、だんだんまともな話になってきた印象です。

ショートでいいので(15分くらいでもいいので)青春に憧れる、非モテオタクの妄想みたいな支離滅裂な話が見たいと思いました。(彼女と彼女の猫みたいなの)
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