大人になって擦れきった古参の新海ファンの戯言です。
今作を観て一番強く感じたのは、「あざとい」です。
とにかく随所で「うわあ、あざとい」と心の中でつっこんでばかりいました。人物の過去の設定やキャラのデフォルメ感、恋愛模様、家族間のいざこざと、幅広い世代に刺さるように作った感じが、自分には露骨に感じました（「龍とそばかすの姫」よりは咀嚼できているとは思いますが）。中でも、既存の歌謡曲が流れたときには（選曲はキャラのセンスのせいにしていましたが）思わず苦笑してしまいました。
もう昔のような、静かで綺麗な世界感は戻ってこないのでしょうかね。
作画に関しても、だいぶまろやかになってしまったな、という印象です。
また、これはアニメ映画に常々思っていることですが、お願いだから声優さんを使ってください。これを語り出すとキリがないので、手短に。
俳優さんを否定したいわけではないのですが、どうしてもアニメに合う声が出せていない箇所があり、気になってしまうのです。激情したり声を張ったりする場面はそれなりに聴けますが、平常時や無気力な場面、「はっ！」と何かに気づくときの吐息などでは、どうしても不必要に力が入っている感じがして、違和感がすごいんです。
餅は餅屋。
「君の名は。」「天気の子」に続いての、チーム新海の三作目ですが、これで一旦の打ち止め、には、ならないですかね？
