うりた

すずめの戸締まりのうりたのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.3
この作品が最も伝えたかったであろう主張の部分はとても心に響いたし、自分自身ハッとするところもあった。この作品の持つ社会的意義はものすごくあると思う。その点は本当に評価したい。気付きをくれてありがとう。

一方でそのメッセージを伝える「手段」となるストーリーの部分が…あまりにも微妙でもったいなすぎた…。
新海誠はもっと心情描写がうまければいいのになぁと思う。あとファンタジーにおけるリアリティ。
ことあるごとにすずめが「え〜!?なになに〜!?どういうこと〜!?」と言い、視聴者も「なになに〜!?」と思う。そこまではいいのだけど、視聴者の頭に?がまだ残っているにも関わらず、次の瞬間にはすずめだけが全てを受け入れてしまっているのだ。
すずめがなぜ受け入れたのか?それには例えフィクションだとしてもその世界の論理と妥当性を示してほしいのだが、そういった理由付けもない。それって中学生が描いた創作ノートの中身と同じでは?と思ってしまう。
…とまぁ、色々視聴者が置いてけぼりにされて気付いたらトントン拍子に進んでてなんだかご都合主義のように思えてしまった。

ラストにすずめの長台詞があるのだけど、あのセリフは本当に本当に本当に良かった。
ストーリーとして色んな要素がうまく噛み合ってない気がしたので、あのセリフのストレートな感じを全編に出してくれてたらなぁと思ってしまいました。
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