ミーミミ

すずめの戸締まりのミーミミのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

先日高齢の父と母とわたしの3人で散歩中、2頭の黄色い蝶々がクルクルと戯れながら飛んでいるのに出逢いました。

父が母に「ほら、仲が良いね」って言い
母も「そうね」って目で追って…

そんなふたりを後ろから眺めてほのぼのしていたら、蝶々がはらりとほどけるように離れ別々の方向に飛んでいってしまいました。

するとおもむろに母が私を振り返り「離れちゃったわ…」って悲しそうに言うものですから

「待ち合わせね〜あとでね〜!って聞こえたよ〜」って私言ったけど
なんだかボワッて胸が熱くなって涙が出てしまいました。

黄色い蝶々はなんだか感慨深い存在です。
いろんな意味合いを感じて。


先日この映画の宣伝を、家族連れで賑わっている映画館で観ました。
スクリーンの「いってきます!」に対して
観客のひとりのお嬢ちゃんが「いってらっしゃい!」と元気に答えて劇場が和みましたが、
あの日からこの映画はもぅ私の中で始まっていたのかも知れない、と思い返しています。

また劇中、昔母が買ってくれた児童文学書を思い出した。
それは松谷みよ子さん著「ふたりのイーダ」という本です。
居なくなった少女イーダを待ち続ける小さな椅子。
幼いイーダを椅子は歩いて探すのです。カタカタと音をさせながら。

どれだけ仲良くイーダと椅子は暮らしてきたのだろうと思うと、とても切ない気持ちになったのを覚えています。


ネタバレをつけても開けてしまうことも考えて、映画の内容には触れませんが

今回劇場で観て本当に良かったと思ったエピソードを紹介して、終わります^ ^

エンドロールも終盤に差し掛かるころ、
後方から泣き声が聞こえてきました。

嗚咽を通り越して大号泣です。
ありがとう。ありがとうって
そんな言葉も聞こえてきて、なんだか私もまた涙がでてきてしまいました。

声のぬしが近くを通られたので失礼かと思いましたがチラッとうかがいますと、小学4〜5年生の男の子!!

彼の心のなかをこの映画がどんな風に通り抜けたのかと思うと、私も深く感じ入ってしまいました。

映画ってほんとうにすごいチカラをもつツール・芸術なんだなと改めて感じた日でした。
ミーミミ

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