魔導ネコ

すずめの戸締まりの魔導ネコのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

公開3日目レイトショーIMAX。結構人いた。

「行ってきます」で始まって「ただいま」で終わる構成はカッコいい。
声優さんは主演2人とも凄く上手かった。すずめ役の子めっちゃ好き。
主題歌は1つ目の方が個人的には好きやな。エピローグ流しながらのエンディングも余韻に浸れてよかった。


序盤〜中盤のロードムービーは移動→出会い→戸締り→別れの単調かつゆっくりな繰り返しだったけれど旅心くすぐられてワクワクした。大学生になって上京して電車も乗り慣れた今はそこまで非日常ではないけれど高校生にとってはかなり大旅行よなと思い出した。出会った人それぞれがみんな優しくて主人公も「守られるべき子供」として大切にされている描写が凄く刺さった。夏の巡礼旅行思い出した。
旅館のシーンは料理の作画凄く美味しそう。就寝シーンのすずめの表情も凄く綺麗で印象的。

今回はお得意の劇中歌&ダイジェスト無いんやな。ついにやめたかなぁと半ばワクワクしながら見てたら本当に出てこなかったからびっくり。

中盤以降の車旅では結構懐メロ出てきて渋いなと思った。魔女の宅急便は監督自身もリスペクトして意識しているそうね。

最後のまとめは過去の自分との向き合い、受け入れかな。震災の消したい記憶、辛い過去。恋愛に終始していないのが大衆に媚びていない感あって好き。
芹沢の「ここってこんなに綺麗な場所だったんだな」というセリフに怪訝な表情をするすずめの対比は震災に対する被災者とその他の潜在的な意識の乖離のあらわれかな。

序盤から登場する「廃墟」というキーポイントを3.11の震災に最終的に繋げるんやなと終盤驚いた。

以下疑問点
・猫の心理が正直よく分からん。何で要石から抜けたかった?何で主人公に好かれていると思った?何で最後結局要石に戻った?
少し省略気味。

・主人公は初め、男に昔あったことがあるような気がしてた。あれば結局?

・教職、看護っていう職業がやや強調めに描かれていたけれどもう少し背景しっかり描いて欲しかった。

・左大臣がおばさんに乗り移ったシーンは何?何で負の感情が表面化してしまった?なぜ乗り移る必要があった?
→(他の方のレビューを見て)大臣左大臣=要石=扉の鍵だから心の扉が開いたというのが正しいか。憑依とは少し違う

・おばさんの部下の男性は結局どうなった?キャラのフラグが回収しきれていないのでむずむずする。

・椅子の足いつ欠けた?
「いつからだろう、大切にしなくなったのは」というすずめのセリフも気になる。劇中は凄く大切なものとして描かれていたからそうでもない時期も過去にあったのかな?

・大臣左大臣って何者?そもそも大臣の対義語は左大臣なのか?何で猫の形してるん?



時間的なものなのかな?説明不足に感じた点やキャラの掘り下げ不足や伏線の未回収感が個人的には多く感じた。それでもストーリーとしては序盤楽しく、中盤スパイスを効かし、終盤は感動で凄く満足感ある作品だった。旅の描写やご飯、女性視点の感じ、猫の変身とかジブリ要素多め。新海誠本もらったのでまたしっかり読みたいです。
これにて災害3部作も終了かあ。寂しいなあ。
また素晴らしい作品待っています!!!
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