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すずめの戸締まりのNowLoadingのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.1
 本日の一本。時間の都合上日比谷で鑑賞したがここら辺映画に登場するかなとちょっぴりワクワクした。実際出たのは御茶ノ水。惜しい。

 ボーイミーツガールならぬガールミーツボーイのアクション映画。というか主人公鈴芽がアンチャーテッドのトムホかと見紛う軽快なジャンプして車避けてぶら下がっての連続アクションはゲームのムービーシーンを観ているかのようである。それでいてダイジンという猫を追いかけ日本列島を駆け巡るチェイスシーンは東京か田舎かという今までの前作前前作とは違った視点でワイドに描かれるようになった。でも結局宮崎愛媛と神戸東京だから枠組みは同じか。

 鈴芽がもうバッチリ主人公してるのでむしろ男がヒロインになっているのが特徴。つまり草太と朋也の教師を目指す立教大学コンビである。(学生証立教だったよね?)草太が途中で動けなくなるところのシーンは尸魂界編のルキアと一護の関係性かぁと理解がすぐできる。

 岩戸家のまた重苦しい複雑な関係は全部みてしまうとフィクションとしてはまあまああるあるの話だがそんな話をさも二人にしかわからんように重々しく描く様はさすがの新海ワールドといった感じ。「君の名は。」「天気の子」とは似て非なる作品なので割り切ってしまえば最後まで楽しく鑑賞出来るかもしれない。

 しれないというのは事前告知(緊急地震速報が劇中流れる)されていた震災シーンの描き方がかなりド直球であったこと。これまでも震災と切り離せない作品であった二作からここまで正面から見せるとは。ツーシームとかカットボールではない本物の真っ直ぐはかなりあの日を経験した人にとっては胸を打たれるだろうし、ある意味トラウマになり得るのかも。だからこそ逃げずに向き合おうとする鈴芽の姿はもう今までの新海ヒロインではない。新海作品で最も責任感に満ち溢れた男も憧れるヒーローそのものだとも言える。

 音もIMAXの重厚感が凄い。緊急地震速報の胸をざわつかせる緊張感、梶浦由記感マンマンのサントラと作品に華を添える。ちょっとSEの音大きいなと思うところ以外はバッチリ。そしてRADWIMPSのMVとほぼなっていた旧作と異なり主題歌と始まりの小うるさいインスト位でまたRADかぁと思うようなマンネリ気味を脱却出来たのはホントに大きい。そしてそれを埋めるようにロードムービーシーンになると懐かしの楽曲(新海監督の趣味丸出しで、普段夢の中へとか聞いてんのか)で味付けする。ライセンス大変だったろうなと勘ぐる位に豪華なラインナップである。あとでプレイリストでも作る気なんでしょうか。

 星空煌めく異世界感と空飛ぶキャラクターといつもの新海要素もバッチリなのでファンなら是非とも映画館で鑑賞しておきたい。(ただしこれまでとは違い震災の絵面がマジなので万人にオススメ出来るとは言い辛い)
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