とむ

すずめの戸締まりのとむのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
随分前に見たのに、下書きのまんま公開してなかった。


改めて新海誠の作家性って強烈だよなぁと思われた作品だったなぁ。

僕は学生時代、東北の学校に通っていた。
当時は特に生々しい傷跡として記憶に新しかった東日本大震災だったが、
まさに生まれの地が被災してしまった友人たちも何人かいた。

思い出すことすら拒絶する子や、
虚勢なのか苦情混じりに家が流されたことを話す子、
某セクハラ監督が撮った震災映画の無神経さに腹を立てている子など、いろいろな子がいた。


そして震災映画として、一番最初に「ミミズ」が現れたシーンの怖さ。ゾッとした。
中盤の例のシーンももちろん怖かったけど、
あれはもはやファンタジーの域に突入した怖さだった反面、ここのミミズは「(少なくとも見え方として)あってもおかしくない現象」だったか、変にリアルで怖かった。


そして新海誠の「いつもの」というべき、
「人智を超えた何かによって引き裂かれた二人が、これまた人智を超えた何かを利用して我儘とも呼べる愛を取り戻す」という中盤以降の展開。
今作においてこの二人ってそれほどの関係性だったっけ…?とは正直言いたくなった。
ほぼほぼ椅子としての彼しか見てないわけだし。
とむ

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