ゆう

すずめの戸締まりのゆうのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2
素晴らしいーー大傑作ですね。
テーマ自体は震災以後の日本で繰り返し語られてきたことであるし、直近の有名な作品だと煉獄さんも同じことを言っているかな。それを新海監督くらい才能がある人がやるとこんな素晴らしい作品になるのか。凄まじい。

相変わらず超絶美麗な映像。現実よりもリアルで美しいアニメーション。新海監督の美しい世界を3日間くらい見せ続けられる拷問?を受けたらこの世界があまりに煤けて見えて鬱になるのではないか、そのくらい美しい映像世界だった。光と色彩の表現力えげつないな。

人間の日々の、単純でつまらないけど愛おしい営み。その儚さと美しさ。ある日突然壊されてもそこに確かにあったことは変わらないし、そういうものを悼む作品なんだろうなと感じる。どうあっても続けていくしかないしね。最期の言葉が売り言葉に買い言葉の、最悪のものになる可能性もある、まっすぐ優しく生きることが大事ですね。

手抜きの背景カット1枚もないのに人物の顔は割と手抜きのとこもあり、新海監督はやっぱり人間に興味がないのかなってなったのがよかったです。あと椅子になってれば何してもいいわけじゃないぞ、って思いました。でも新海監督の性癖発露は弱め。良い映画でした。
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