どでん

すずめの戸締まりのどでんのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
まさしく新海誠集大成にして最高傑作。

震災という名の東日本大震災に間接的にかつ物凄く直接的に向き合った作品。

全然関係ないけどこの作品の根源は加藤浩次がめちゃイケで山本圭壱に言い放った「当たり前じゃねえからな、当たり前じゃねえからなこの状況」に辿り着くように感じる。

被災者にとってはこの作品を観ることは辛いことかもしれない。だが、この作品を観ることで救われる人もいるかもしれないし、未来に向かっての「行ってきます」のきっかけになる人もいるかもしれないと感じる。

自分も含めて被災者でない者もこの作品に向き合うべきだと感じる。言葉は悪いが道徳的な教材として。極論観るだけでも震災を風化させない事に少しばかりでも繋がるし被災者の心に少しでも寄り添える事ができるかもしれない。そして、今の世界が「当たり前じゃない」ことを再確認することができるかもしれない。少なくとも自分はそう感じた。

12年前実際に被災地に赴き、現場を感じた自分としてはそんな作品になって欲しいと願う。

そして、エンターテイメントの観点から見た時に、このような勇気のいる作品を圧倒的な作品としての完成度の高さとして2時間30分で表現してきた新海誠は改めて凄いです。
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