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すずめの戸締まりの19のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
神は全知全能の老人ではなく、能力の高い子供のようだと言ってた人がいたのを思い出した
ミミズが暴れ出すのに特に合理的な意味も意義も存在しないのが妙に艶かしく、リアル
きっと世界の周り方はあんな風に無慈悲だろうなあと思う
自分の知らない大勢か?自分のよく知る一人か?という定番で残酷な命題

脚本が素晴らしかった。これ系の映画はやっぱり脚本にかかってるんだな〜と最近常々思う。限られた尺の中で世界観の説明、起承転結割り振りをそれぞれどうするか、どのようにしてどのタイミングで観る人を引き込むか、のバランス感覚だよね 映画館でお金出してよかったです

⚠️ここから下ネタバレ⚠️










































内容について
すずめちゃんと同じくダイジンに対してなんでそんなことするの!という気持ちなんだけど、最後一言すずめちゃんにありがとうと言われてしわしわだったダイジンが生気を取り戻して嬉しそうにした時、一気に可哀想になっちゃった
現代の殆どの人がミミズの存在すら知らないで、人知れず裏の世界で感謝もされず何年も何年も力を抑え続けるのが自分の役目だとしたら、寂しいし代わってほしいよね
それがたった一人にたった一言感謝されただけでニコニコしちゃうのが、損得勘定を知らない子供みたいで泣けちゃった ダイジンにもハッピーエンドがあったらよかったな。

廃墟に後ろ戸があるという設定で「忘れられる」と「災い」が密接に結びついている。
「忘れられる」「風化」はどちらも震災にとって無視できないワードだと思う 上手い絡め方だった
震災はすずめから多くのものを奪ったけど、奪っただけじゃなく、すずめの強さにも繋がっている描写が良かった

音楽がとっても良かったな〜挿入歌、効果音の方
不穏なシーンを不穏MAXに加速させるBGM、重要だと思うし超良かったです
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