Ellen

すずめの戸締まりのEllenのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


行方不明者を捜索する現地の人へのTV取材中、姉が乗っていた車が発見されて、車の中には亡くなった姉がいて、妹がその場で、甥っ子を抱きしめながら母親がわりになる決意をした瞬間を映したニュースを思い出した。

環さんが鈴芽にぶつけたあの言葉は、震災当時ありふれていた「親代わりになる」という境遇の、TVには映らない"その後"の代弁だったと思う。

お母さんを泣き叫びながら探す幼い鈴芽、土台だけしか残っていない実家の跡地を眺める描写、緊急地震速報のアラートの強い音、、
『君の名は。』『天気の子』と自然災害に強い関心を寄せてきた新海監督だが、今作の直接的な描写には絶対に忘れてはいけない、自分が未来に向けて描かなければいけないという強い意志を感じた。

それと同時に、残された鈴芽は周りの人に迷惑をかけながら、でも愛され見守られながら生きてきて、その存在が次の誰か(草太)の希望になっているという循環があたたかくて泣けた。
Ellen

Ellen