mikA

すずめの戸締まりのmikAのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

新海誠作品の中で一番好きな作品でした。

一番印象的だったシーンは、鈴芽と環が心の奥底で思っていた感情を言葉として吐き出してぶつかるシーン。

親子で毎日一緒にいるからこそ思うことはあって、ただみんなそれを飲み込んで生きている。言ってしまったら大事なものを失ってしまうことを分かっているから。

今回はぶつけ合うことによって前に進めるというシーンだったけど、実際に私はぶつけたことによって前に進めたことがあっただろうか?そもそもぶつけたことがあったのか?と私自身親との関係性について考えさせられた。

あとタイトルの出し方はめちゃくちゃ引き込まれかたがすごすぎた。もうあそこで確実に鈴芽の世界と映画館が一体化してたし、鑑賞している私たちも鈴芽の世界の住民として鈴芽や草太、ダイジンを眺めていたような気持ちで観れたのも今作の面白いところかなと。
おかげでここ数年全くできていなかった旅行を一緒にしている気分で観れたし、東京にミミズが現れたシーンは完全にあ、死ぬ、やばいって思ったし、勝手に映画に出演してた。笑

あと鍵を閉める描写が所々に出てくるのは、個人的にこっからまた何か始まるんだろうなって何かの前触れのようで観ててワクワクした。

新海誠本2にも書いてあったけど、5日間での出来事には全く感じられなかった。草太が要石になってからもう一度鈴芽と再開するまで絶対1年は経ってるでしょ!?ってツッコミたくなるくらい2人が離れた時間が長く感じたし、一緒にいた時間はとてもかけがえのない時間だったんだなと思った。

本当に大切な人や大事なものの手をちゃんと握って、一緒にいる時間を大切に、手放さないように、手のひらからこぼれ落ちないように、しっかり抱きしめておかないといけないなとそう感じさせてくれた作品。
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