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すずめの戸締まりのmanamiのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.4
君の名はも天気の子もいつだって主人公たちが現実ではあり得ない目に見えない魔法のような力で人々を災害から救ってきた。
でも今回はがっつりと3.11に触れてるからいろんな意見が出るのは仕方がないと思う。

でも震災のことを考えたとき、新海誠が感じてる"後ろめたさ"(インタビュー記事読んだ)は当事者じゃない誰しもが思ったことかもしれない。
あまりにもたくさんの命が奪われたこと、それが人の想いとは関係無しに時と場所を選ばず一瞬のうちに生活や命を奪い去る"バケモノ"だから、歯向かうことも止めることも絶対にできない。

それをアニメとしてああいう解釈に落とし込むと怒ったり悲しくなる人もいるだろうけど、ちがう誰かの救いにはなったかもしれない。
それだけで作品としては意味を成してると思う。

もう二度と聞けない"おかえり"がたくさんあって、それでもいつかは"いってきます"を言える日がくるよ、っていう前向きなメッセージがアニメとして、フィクションとして見てる分には感動したけれど、やっぱりそれを感動と呼んでいいかわからない苦い気持ちにもなったりする。
良い作品というよりは、そっちばかりを考えてしまってお話として楽しむことを忘れちゃうんだよな。

映像と野田さんの楽曲はいつも通り素晴らしかったし、ダイジンのキャラは物語の良いキーパーソンになっていて、前半後半での印象の変化とかあの子の背景を思ってかなしくなったり。そこはお話として良かったところ。

ただ今作ではっきりわかったのは、新海誠が思い描く男女のキャラってもう何年もアップデートされてなさすぎ、ってことだな🤔笑
秒速5センチメートルあたりの時代背景なら受け入れられるキャラ設定でも、ここまで時代が変わると違和感を感じてしまう、ねっとりとした芋臭さがあるんだよね、、実在してる場所を舞台にしているから余計に。
女キャラはもちろんなんだけど、男キャラも
こんなのが好きでしょ?みたいなイケメンの捉え方がすごいズレてる気がする笑
ホントそこだけ急に冷静に冷めるから嫌だな〜と思ってる。笑
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