このレビューはネタバレを含みます
「いってきます」
えっぐ。
周囲の賛否真っ二つで、物語が折り返すまでずっとどっちに振れるか懐疑的だったけど、結局すごくよかったな。
現実と物語を交差させる、実に挑戦的で難しい題材だったからこその賛否。
だね。
前半、すずめちゃんが津々浦々で出会う人たちとの触れ合い、温かさを描くも、人によってはこの時点で「あーはいはいコロナ禍だけど忘れないでね温かさみたいな感じね」的な拒否反応を起こしかねない。
危うく自分もそうなりかけて、いやこれで終わらないはずと信じて(願って)なんとか持ち堪えた。
食事、色彩、走る制服の女の子、巨大なものとの対峙、新海映画(ひいては日本のアニメ映画)のよさフルパッケージは健在。
正直ここで終わっても「否」にはならなかったかな。
ただ、草太くんロスからの後半は本当に「すごかった。
失った椅子の脚、真っ黒な絵日記、お母さんの最期、「いってきます」の言葉の多さ、戸締まりのゴール、全部一気に回収した感じ。
「おかえり」って言ってあげられなかった人たちもいたんだよね。
お母さんの最期は、隠されていたんじゃなくて、誰も知らなかったんだな。
そういうことが本当にあったんだな。
って、「いってらっしゃい」フラッシュバックで気付いて打ちのめされてしまった(これを期待してた)
忘れてはいけない、もういいよ、そっとしよう、が入り混じる中、
よくやってくれたなって本当に思う。
突然の昭和歌謡は気になっちゃったけど、ルージュの伝言はサダイジン登場の入場曲だよね?!笑
小ネタ調べが楽しみです。
本作も素敵な作品で、とてもいい時間だった。