アンソニー

すずめの戸締まりのアンソニーのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

想像していたよりも数倍面白かった。
「君の名は」は観ていて
「天気の子」はまだ観ていません。

今作はアクションや冒険といったところが
目立つ作品でした。
「君の名は」では入れ替わりで
よくある恋愛ものと思わせて
大きい規模の話になるという感じでした。
「すずめの戸締り」は
序盤から大スケールの物語で、
謎の男に謎の扉に謎の生物に謎の力に
とにかく超特急で展開が進み、
新情報が舞い込んでくるので
整理するのが大変でしたが
退屈はありませんでした。
でも、その中でもイケメンが椅子に
なってしまったりと
そんなのアリ??と笑ってしまうような
展開も用意していて
もう、そこまでやるならとことん
お供致します…って感じです。
流石っす。

ダイジンのミスリードには
やられましたね。
アイツ完全に敵だと思ってました。
あと、声がバッチリハマってます。
最後には好きにさせられて
もう手のひらの上で踊りまくりです。

廃墟となった土地にも様々な人たちの
思い出があって、その声を聞く。
めっちゃいい設定ですよね〜。
あんなんウルっと来ちゃいます。
色んな人たちの行ってきます…。
扉の向こうは死者の世界…。
震災のあったあの日はまるで、
家族を向こう側に送り出したかのような…
そんな気分にさせられて
ただ行ってきますと言って
扉を通ることでさえも悲しく感じます。

主人公とおばさんの関係性も
一筋縄ではいかないもので
あれもいい味出してます。
各地で出会う人たちも良い人ばっかり
キャラが魅力的で素敵でした。

設定とキャラクターが良いからこそ
キャラの感情の部分が少し気になります。
序盤中盤は特に思いませんでしたが
色んなキャラの思いが集約してくる終盤。
おばさんと口喧嘩になるシーンも
その気持ちを言わせたいのは分かるけど
操られてました…では、勿体ない。
その後の仲直りのシーンは素敵なのに…。
あくまで自分から発する形の方が
僕はいいのかなと思いました。
個人的にさらに顕著なのが
ラストの子供の頃の自分と話すシーン。
あの服とあの靴とあの髪型で
最初は母親?と思わせて、
そうたか?と思わせての
自分だったという裏切りは良かった。
しかし、未来は明るいだとか
そういうのを口にしちゃいけない。
あまりにくどい。
あなたの今の想いはこの2時間を通じて
ひしひしと感じています。
前向きな気持ちになっているのに
さらに追加で言われると
やろうと思ってたのに親にぐちぐち
言われてやる気無くすみたいな
気分になります。
作品自体のメッセージを主人公が
昔の自分に向かって全部話すのは
ちょーくどい。
正直言うとあそこで熱が冷めました。
僕が要石になっちゃいましたよ。
キンキンに冷えました。
チキン冷めちゃった…。

冗談はさておき。
子供の頃の自分を現実世界に帰すという
ストーリーは設定上必要だと思うので
あんな子供に泣きながら早口で
語りまくるよりももっと別の方法で
あのシーンを描いた方が
余韻に浸れたのかな〜と思いました。
厄災を鎮めたところが盛り上がりの
ピークだと思うので
あれ以降は余韻に浸れるような
緩やかな展開が欲しいですね。
もちろん、個人的な意見です。

最後に今までお世話になった人たちを
訪ねて帰るのは粋な演出ですよね〜。
あれは最高です。
総合して面白かった〜。
気が早いですが、次回作も期待してます。