ぴよちん

すずめの戸締まりのぴよちんのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

予備知識は地震の描写がある、ということだけで視聴。非常によかった。

過去作は、テレビで君の名は。を観たことあるだけだったが、そちらより好きだった(映画館で観た分もあると思うけど)日本のアニメ映画〜!って印象で、ジブリみを感じた。監督について詳しくないけど、日本の映画や音楽、こういうものが好きで観てきたものを詰め込まれたのかな、と勝手に思ってしまった。自分がそういう文化に詳しかったら、もっと楽しめのかも。

映像、特に風景や現世とはことなるものの美しさは映画館で観てよかったと思えた。
震災から12年、観れない人もいると思うけど、今この作品を作られたことは、命や震災やそんなものに心を向けるために意味のあるものではないかな、と思います。
地震の表現をミミズにしたのは、かなり予想外だったけど、映像での表現の仕方とか、神や常世を絡ませるあたり、日本の表現っぽいな〜と思って観ていました。ハウルともののけを想起させられた。(最後の別れ方とかアシタカかよ!って)
-0.5については、地震を神を祀る?という方法を取ってるにしても、人の力で何とかしてきたって感じの描写が難しいな、と。フィクションだし、他の厄災に関しても描くならそうしかできないんだろうけど、私にとって地震は余りにも大きく恐ろしく人にはどうしようもできないものという認識だから。あとは昨日見たスラダンの映像がぬるぬるすぎてそこが劣って感じちゃったところ。それは全然違うスタイルのアニメ映画なので、比較するのは違うかなと思いつつ。もっと凄い音響のとことかで観てたらもっと高評価だったかも。

ダイジンについて、私は寂しかったのかしらと思ってしまった。廃墟や神は今の日本では遠くなってしまった、心の離れてしまったもの。それを見つけてしまった、解き放ってしまった鈴芽は、ダイジンにとって思い出してくれた、大切にしてくれた人間で。まるで母親のように遊びたい、鈴芽の役に立ちたいと振る舞うダイジン。でも、その振る舞い方が奔放な神的であり、子供的であったために、鈴芽に嫌われる行動になってしまったのかな、好きな人を独占したくて、草太を椅子にしちゃったのかな?と。
サダイジンはちゃんと自分の存在意義がわかっていたのかな。だから、きちんと鈴芽とダイジンを導いてくれたのかも。(ダイジンとサダイジンが子猫と成猫で描かれていて差は、気になる。神としての年月とかで成熟度とか変わるのかしら。)
最後、ダイジンが要石になることを選んだのは、鈴芽のことを本当に慕っていたからだと思う。私には納得の結果です。

廃墟や忘れ去られるものに対して、ちゃんとそこに人が生きていた記憶を声として(時には映像として)表現されていたのも、とてもよかった。これは、今の私たちに必要な感覚ではないかな、と勝手に思いました。持論です。

宮崎、愛媛、神戸、東京、宮城。それぞれの場所での出会いや旅、私はひとつひとつ好きだったし、そこでの出会いが最後に繋がり、エンディングで再度会うのも、私は好きな回収の仕方(エンディング、ジブリみが強くなかったですか、、?笑。好きです)
SNSや地震速報、人々の反応は現代的だなと。リアリティはまあまあだったけど、"今"を描いているんだな、と感じました。

個人的に泣いた箇所
・愛媛の民宿での料理。美味しそうだし、温かいし。
・その後、千果(みかん農家?だからこの名前?今気思った)と布団の中で話したときの千果の優しさにも泣いた。
・お母さんが椅子作るときの回想。ざーさん、台詞あれだけだったのに、影響力デカすぎる。
・鈴芽が日記を塗り潰す描写とそれを思い出したところ。
・PAで環さんと鈴芽が言い合いになるところ、そして、その後、自転車に乗っての仲直り。それだけじゃない。そうだよね。2人とも大切な人を亡くしたもの同士だしね。。
他にもあったと思うけど、後半は全体的に涙腺ゆるゆるだったから、とりあえずここまで!

神戸のスナックは、鈴芽が帰った後のお姉さんの態度の変わり方がめちゃくちゃ好感度高かった。きっと親近感湧いたんだろうな〜。神戸の遊園地。四国から見えるとこがモデル?あそこはまだやってる?のかな?
芹澤、とても好きだった。最初、神木くんとは気づかず、、声優さんかと。演技上手い。出てることは知ってたけど、歌ってるとこで気づきました。懐メロが好きなところ、中古車に乗ってる貧乏ホストみたいなところ、大学生らしかった〜笑笑
草太は(出てくる人みんな言ってたけど)イケメンだった。あのタイプは好みなのでずるいです。椅子になった途端、急に北斗さんみが強く感じた。笑。SixTONESの日常のふざけた会話ばかり聞いてるからだろうか。笑。かっこよかったです。

作中、扱ってるものが重く大きい分、笑えるところがたくさんあったのが良かった。出会う人たちがいい人たちだったし。芹澤の車に2人が上から乗り込むとことか、オープンカーの故障とか。人間って愛おしいよね。謎なのは、教師って忙しいのに、戸締しやっていけるのか?ってこと。非常勤講師になるのか?地理とかの。

最後、椅子を渡したのが、母親ではなく自分だったのは、よくある表現ではあるなと思ったけど、亡くなった人は亡くなった人であり(その人たちに励まされてるのはもちろんだけど)自分でちゃんと未来へ歩いていこうという意思、思いが感じられて、そういうことを伝えたかったのかなと思ったり。
死ぬのは怖くないって言ってた鈴芽、最初は強さなのかなのかと思ってたけど、違っていて。最後、生きたいっていう言葉が出てきたところ、本当の意味で乗り越えられた、成長したのかなと思えました。

色々、深堀りしたい箇所があって、とても楽しかったです。
やっぱり映画っていいな〜

これから、犬夜叉との関係についての話を探して読んできます!笑笑
ぴよちん

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