新海監督作品はこれまで「君の名は。」の余りの世間的評判に釣られて劇場で観賞していたく感動し、大いなる期待を持って次作「天気の子」を劇場観賞して酷くがっかりした経緯があり、さて本作はどうかと、かなりハードルを下げて観賞してみた。
結果は、予想外に大変面白かった。
ストーリー設定として、東日本大震災をモチーフにしている部分があり、観賞する人に対してはその旨の注意喚起もされていることからも、単純に“面白い”と表現するには語弊があるかもしれないが、あくまとして一娯楽作品として楽しめ、感動できた作品として、現時点では「君の名は。」を最初に観た際と同等か、それを上回る衝撃を感じた。
例によって、一連の作品に通底する日本神話的な素材部分(本作でいえば“閉じ師”とか)そのものをテーマとしたい訳じゃないようで、背景描写や掘下げは一切無いので世界観自体は随分と薄っぺらい感じがするのも、新海監督作品に共通する突っ込みどころか。
まぁ学術的教養として観るってものでは端からないし、単純に劇場での滞在2時間程度を十分に楽しめれば良いって観点ではベスト作品。
涙を誘われているのが解ってても、溢れる涙を止められなかった(比喩ではなく本当に)。
劇場での大画面、大音響で観れて良かったと思う良い作品です。