cinemageek

すずめの戸締まりのcinemageekのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
すずめの戸締まり

監督/新海誠

出演/
原 菜乃華(はら なのか)
松村 北斗(まつむら ほくと) SixTONES

深津絵里
神木隆之介


岩戸 鈴芽(いわと すずめ)/原 菜乃華(はら なのか)

宗像 草太(むなかた そうた)/松村 北斗(まつむら ほくと) SixTONES

岩戸 環(いわと たまき)/ 深津絵里
芹澤 朋也(せりざわ ともや)


ポイント1
テンポの良いシナリオ展開
前半始まってすぐに、鈴芽と草太を登場させ、目的を見せたあとのロードムービーへの展開まではご都合ぽさもあるが、テンポがとてもいい
謎解き段階に入ってからも、芹沢の存在がとてもポイントになるし
目的地へも大きな障害などを入れないところもテンポの良さになっている。

121分でまとめるために苦労したと思う

その一方で、2人の関係性がもうちょっと構築するエピソードがほしかったかな?



ポイント2
声での演技が想像以上の主人公2人
原 菜乃華(はら なのか)
松村 北斗(まつむら ほくと) SixTONES
の演技は立派だった

思いの外よくできていた
特に
原 菜乃華(はら なのか)ちゃんは 真犯人フラグの娘役だったそうで
演技もできて声優としてもうまく成長してびっくり

それ以上に驚いたのは
松村 北斗
冒頭からセリフが多いが最初からしっかりと 草太になりきっててよかった

そういえば xxxHOLiC の 百目鬼
百目鬼静(どうめき しずか)も良い演技でした



ポイント3
日常の挨拶の大切さに感謝を感じる

auのCMで積極的に使われている
いってらっしゃい
の言葉だが、この映画の中ではほんといい人ばかりがでてきて、
日常で優しく包んでくれる

そして 一宿一飯の恩義ではないが、関係性は理想的とは言え
日本人的な お接待 おもてなし を演出的にいれている

なんとなくではなく、おみおくり 再開をねがっての 
いってらっしゃい おかえりなさい
の言葉の深みをかんじるかもしれない



シナリオは簡単にいうと
九州の田舎に住む鈴芽は、災の元となるトビラを閉めるための旅をしている草太と出会う
草太に廃墟の場所を聞かれ答える鈴芽だが、そのことが気になり廃墟に行くと不思議なドアがあった。何気ないドアのむこうは観たことがある風景…
そして要石の封印を知らず知らずのうちに解いてしまうのだが…



あえてポイントでは挙げなかったが
東日本大震災が舞台として出てくるので、あの天災による被害の思いが払拭できないひとには 辛い描写が出てくる部分があるかもしれない


賛否は出ると思うが個人的には

君の名は。
天気の子
と比べると

君の名は。>すずめの戸締まり>天気の子
と言った感じになる

3作品とも共通するのは、
絶望とも言える状況下になったとしてもきっと希望はある
ということに尽きるかもしれない

それ故に、今回は実際に起きた災害をもってくることで、リアリティが増す一方で、その被害に合われた方々へのフォローとしては微妙なところがあるかもしれない

ただリサーチで東北を実際に回った新海監督としては、
現地以外の人に
未来に起きるもしもにそなえて 今を大切にする気持ちを持ってほしい
というメッセージ性が加わっている気がする



ヒロインの鈴芽はとても感情的で、活発な女の子
その描き方は宮崎駿的ともいえるし
災いのもとの ミミズは エヴァ的ともダイダラボッチ的とも
草太の(あえていう)第2形態の動きはディズニーっぽさもある

そういった アニメーション演出のいいところを 取り込んで新海誠らしいアニメーションで描いたというのは、彼なりに何かを新しく生み出したいという思いからかも知れない


その一方で、何気ない日常が一瞬にして崩されるかもしれない天災に対しての心構えであったりを指し示す雰囲気も忘れてはならない


シナリオ的には前半のテンポの良いロードムービーは評価するものの
後半は謎だらけ
ダイジンとサダイジンの関係性
閉じ師と呼ばれる人々は他にいるのかどうか
鈴芽と草太の関係性の構築が弱い
など、ツッコミどころは多々あるのが、マニア的シナリオを精査するひとからは
不評の原因になるのかもしれない


音楽がとても良かった
陣内 一真(じんのうち かずま)さんの参入によって音楽の幅の広さが感じられた
(メタルギアなど担当)

その代表的なものが
前半のロードムービーに続くところからのバタバタしたコミカル音楽

おそらくそのあたりを担当されたと思うが、その後の心理面での変化に合わせて、RADとのあわせ技で観ている人の感情をスクリーンに引き寄せる旨さは感じた



最後に、映画館での上映回数に対しての批判が多く見られるが、これは映画館が悪いのではなく、配給会社からのお願いという名のノルマであり指示であり命令であると思われます。


配給会社と上映館とのパワーバランスは圧倒的に配給側が強い
おそらく東宝としては スタートダッシュで記録…はむりでも大きな話題を作りたいのだろう

それがこの上映回数につながっている。

MCUの回数が少ないのは仕方ないところかもしれない





主人公の岩戸 は 天照が隠れた天の岩戸から引用されたのであれば、
扉を開き 閉じる
というテーマにはピッタリのキャラネームと思ったりもしたが、これは考えすぎかもね

https://www.youtube.com/watch?v=vQOh0vzvsZU
cinemageek

cinemageek