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すずめの戸締まりのレのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

生きたい生きたいってイス視点の草太の記憶を覗くシーン、椅子の呪いが解けて、ミミズを封じ込めようとする時に「死と隣り合わせだと分かりながらもこの一時一日を生きたいんだ」みたいなニュアンスのことを言っていて、
ふとした瞬間に死を考えてしまう、自分が置かれている状況からすぐ逃げだそうと思ってしまう、自分に刺さる言葉だったな
その後すずめが、小さいすずめに会って「今は真っ暗な闇の中にいるかもしれないけれど、あなたはこの先光の中で生きて行く」といった言葉を投げかけていて、どんなに今が苦しくても、大丈夫だからと、過去の自分を抱きしめて受け入れて、前に進んでいく様子が強くてかっこいいと思った

3.11の震災で亡くした人、失ったものは多く、すずめの場合はそれが母で、開いた扉の中で何度も幼少期の自分と母を思い出していたけれど、一番最後にすっきりした表情で扉を閉めていた
悲しい過去でも、戻りたい過去でも、辛い悲しい苦しいっていう心でも、その時いた自分の心と向き合い、自分で浄化する
「楽しい」「懐かしい」優しさという心の重に代えて初めて扉を閉められるんだろうな
扉を閉めようとすると物理的にその扉と向かい合うことになる
閉められない扉は、向き合えないから閉まっていない
寂しさや悲しさでそのまま放置されてしまっている、その時の気持ちに浸って「向き合って」ようやく閉まるのかなと思う
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