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すずめの戸締まりのnachiのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画館でも観たけど考察しすぎてレビュー書き逃したやつ
金ローでまた観て色々考えを整理できたので…

公開当時は案内役とはいえダイジンの行動の意図がわからなくて、神様だから仕方ないのか?と思いつつダイジンに対してかなりイライラしながら観てたけど、ひとつ気がついたことがある。
すずめはダイジンを追うことで、環さんの12年の追体験をしているんじゃないかと。
冒頭で痩せ細ったダイジンに「うちの子になる?」と話しかけるシーン。東京の後ろ戸で「あんたなんか」とダイジンを責め立てるシーン。ダイジンに振り回されて全国を走り回るすずめ。そしてすずめの気持ちなんてお構いなしに、すずめはダイジンのことが好きだと信じて疑わない無垢なダイジンの言動の数々。
すずめが環さんで、ダイジンがすずめ。これは全部、環さんの12年間だったんじゃないかな。

震災をテーマにした映画でもあり、すずめと環さんの12年を描いた映画でもある。日本古来の伝承も絡めているし、いろんな角度から楽しめるので何回観ても飽きないね。
その一方で、ある人にとっては不快に感じたりつらい思い出が蘇ったり…複雑な思いを抱えながら観る人も多い映画だけど、大震災という日本人にとってはタブーとも感じるテーマをここまで作り込んで描き上げたこと自体、精神的にも肉体的にもかなり負担のかかる作業だったんじゃないかと思う。自然災害にフォーカスしてクリエイターを続けてきた新海誠にしか出来ない作品であることも含めて評価されるべきだと個人的には思います。

あと、結局草太とすずめが結ばれないのいいね!すずめは草太のこと好きだけど、草太はあくまで妹的な、良いパートナー?くらいにしか思ってなさそうなところが余計にいい。
草太って「俺は君がつらい時にそばにいてあげられないから」とか言って誰とも恋なんてせず生涯独身を貫きそうだよね、すき。
思い切って恋愛要素ゼロでもよかったと思うけど、それだとすずめがここまで本気で草太を救おうとする理由づけが出来ないからダメだったのかな〜
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