このレビューはネタバレを含みます
金曜ロードショーで鑑賞。
九州に暮らす女子高生すずめと、椅子に姿を変えられてしまった草太が“ミミズ”が出てくる扉を閉じるため、日本各地を旅するお話。
震災を扱った作品とは聞いていましたが、思っていたよりずっとがっつり、主題として描かれていてなんだかヒヤヒヤしました。実際に大勢が亡くなって、大勢が今も苦しんでいる出来事にファンタジーを加えて、アニメ作品としてエンタメの一つとして楽しんだり悲しんだりする。そのことへの後ろめたさというか、どういう心持ちでみればよいのか、終始私は戸惑ってしまった。
地震そのものを誰かの努力によって防げるとする設定や、誰かの犠牲をもって地震を押さえ込むというストーリーもモヤモヤ。地震そのものはどうしたって防げない、その被害を減らすのは人の力というメッセージなら分かるけれど。。。
おばの環が憑依されてすずめに酷い言葉をぶつける場面もひどかったし、幼きすずめを励ますのは本人ではなく周りの人であって欲しかった。孤独にひたむきに頑張っているすずめに、これ以上背負わせないで欲しいと思っちゃった。あたたかい人たちに沢山出会う日本中の旅だったから、一時的な出会いでも深い話をするような、深い部分での交流やヒーリングとか、観てみたかった感じもする。
とはいえ、こういうストーリーのアニメ作品は日本でしかうまれないんだろうなとも思います。海外の人はどう観るか気になる。