法月

すずめの戸締まりの法月のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
ますます素晴らしい映像美。
アニメで緻密に描かれた背景を観るの、なんでこんなに気持ちいいんだろう?
新海誠作品を観るといつもそう思う。

今回も3.11へのこだわりが見えたね。
あの時失わわれた命、残された者の悲しみ、それをどう癒すことができるのか... アニメでそれを描くこと、意義あることだと思う。

映画の中でも地震警戒アラートが流れるとドキッとする。
私事だが、今年の元旦に大きな地震を体験した。
家が壊れてしまうのではないか?...それほどの揺れだった。
まさか一月一日にこんなことが!?
いや、天災は何時やってくるかわからない。だから怖い。

この映画観て、村上春樹の短編「「かえるくん、東京を救う」を思い出した。東京の地下に潜み、大地震を起こそうとする巨大みみずと戦い、傷だらけになってそれを阻止するかえるくん。
そのかえるくんの奮闘は、なぜだかしがないサラリーマンである片桐しか知らない。
めちゃヘンテコな話。けど、深く心に残ってる。
新海誠監督がこの小説に影響されて「すずめの戸締り」を作ったのかは知らない。うん、それはどっちでもいい。

映画、面白かったよ。
ヘンテコな話だったけど。
なぜ椅子に変身するのか? 椅子抱えて東へと向かうJK、オモロイ。
なぜかすずめが場末のスナックでヘルプするのオモロイ。
歪だしなんかまとまりのないお話。
映画としての完成度では「君の名は」や「天気の子」のほうが高いでしょう。
けど、好きだな「すずめの戸締り」。

毎日一レビューチャレンジ 056
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