そこら辺の大学生

すずめの戸締まりのそこら辺の大学生のネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

私自身北関東の出身なので、津波の被害にはあっていないものの、3.11を経験した被災者です。
誰か身近な人を亡くした訳では無いけれど、あの日は私の中でずっとトラウマで、正直この映画も、見るのにかなり勇気を振り絞りました。

結論から言うと、本当に見てよかったと思っています。

すずめが自身の日記を見るシーン、常世の中であの日の声がいくつも聞こえてくるシーンなど、見ていて思わず震えが止まらなくなる描写は多くありましたが、

すずめが幼い自分に会うシーン、
「今は辛くても、すずめは大人になっていくの」
このシーンになんだかすごく救われた気持ちになりました。
立派に、とかそういう言葉をつけず、震災を綺麗事として描かなかったことが、すごく良かったな、と思いました。

何度観ても涙が止まらない、大好きなシーンです。

ちょっと残念だったと思った点を挙げるとすると、展開が早くて少し置いてかれた感じがしてしまうところ、
あと、震災を経験していない人にはいまいち刺さりにくいのかな?と思いました。
(被災していない友人たちの評価を聞いて)
3.11を風化させない、という意味ではあまり効果はなかったのかもしれません。

ただ、被災者の私にとっては、忘れられない作品になったと思います。